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ナレーション | 時に21世紀前半。少産化の波を受け、大学に進学する学生は年々減少の一途を辿っていた。少ない入学生をめぐって各大学の争奪戦は年々激しくなり、超過激派と呼ばれる大学によって他の大学が崩壊するのも日常茶飯事であった。工大も例外ではなく、彼らの攻撃によって今、廃校の危機を向かえていた。 だがしかし、工大にはわずかながらではあるが一筋の希望があった。 なぜならば、そう、学生の有志による工大自衛団「ガクレンジャー」が結成されたからだ! 彼らはLC地下64階の秘密基地を行動拠点とし、日夜工大ロボで超!過激派大学と戦っているのだ。が。 |
(学長室) | |
学長 | なぜ君がここに呼びだされているのかわかっているだろうね? |
助教授 | やっぱりー、ガクレンジャーの今一つぱっとしない現状でしょうか? |
学長 | あぁ。君たちは確かに工大を“守る”ことには自体には成功をしているが、その際にあまりにも被害を出しすぎている。 |
助教授 | でもー、ガクレンジャーを解体しちゃうと学校の治安を守るものがいなくなっちゃいますよー。 |
学長 | そのことについてはすでに一考してある。君たち来たまえ。 |
リンマット&ジェニー | はっ。 |
リンマット | My name is 『リンマット』。そしてこちらが相棒の『ジェニー』。工大の明日を守るため、防衛留学生としてやってまいりました。 |
助教授 | どういう意味ですかぁ? |
学長 | 次に大学が過激派の攻撃を受けた際、どちらがうまく防衛できるかでガクレンジャーのこれからの処遇を決めるということだ。 |
ジェニー | つまーり、あなたたちはあと1回しかチャンスがないということね。 |
学長 | 私が言いたいのはそれだけだ。 |
(LC(ライブラリーセンター:巨大多機能図書館)地下64階) | |
助教授 | と、いうわけでー、彼らがそのリンマットさんとジェニーさんよ。みんな!なかよくしてねー!! |
健亮(けんすけ) | なんやと思ったら、今までのは設定の説明やったんか。俺が健亮。工大ロボの外部動作を担当しとるもんや。 |
田宮(たみや) | はい。ぼ、僕がじょ、情報処理担当の田宮です。と、年は19です。えーえー。 |
響子(きょうこ) | 私は内部機関処理担当、響子。よろしく。 |
リンマット | 挨拶は不要だよ、セニョーレ。どうせ次回の出動で君たちはこの任を解かれることになるんだからね。 |
健亮 | ム# |
田宮 | け、健亮君。おさえておさえて。 |
響子 | なっかなか面白いことをほざくじゃない。それなりの腕はあるんでしょうね? |
リンマット | 試してみるかい?ハニー。 |
(演習室へ舞台を移す) | |
助教授 | はーいっ!ここがLCで一番すんごいト・コ・ロ!スーパーコンピューター「ブルガリア」を用いたシミュレーション演習室でーす!! |
ジェニー | リンマット。1分30秒以内に2本勝ちよ。 |
健亮 | だー!!なめやがってもーキレタ凸(-_-メ!正義の鉄槌を食らわしたる!! |
響子 | 馬鹿!工大ロボの心拍数があがっていないのに急にそんなに動かしたら! |
田宮 | 工大ロボ!立ち眩み!!カメラしばらくの間使用不能! |
リンマット | ふん。「始め」の合図がないのにかかってくるなんて。お下品な。 |
まあ、一気に勝たせてもらうよ。ボーイ。 | |
健亮 | あーもう駄目だー。と、見せかけて工大天気予測下駄! |
田宮 | げ、下駄外れちゃたんですけど。 |
響子 | 最大加速力マッハ3を誇るあの下駄をかわすなんて相当の機動力ね。でもあんな軽武装で果たして肝心の攻撃力の方は一体どうなのかしら? そ・れ・は・と・も・か・く!あなたの脳味噌の辞書には猪突猛進しか書いてないの?! |
健亮 | うるさい!正義の工大体当たり! |
ジェニー | 留学生ロボーミサーイル! |
響子 | もう!。右足が駄目になったわ!!攻撃に無駄がありすぎよ! |
田宮 | 敵、高速接近! |
リンマット&ジェニー | 留学生ロボダーイブ。 |
(LC地下64階へ舞台を戻す) | |
助教授 | (拍手しながら)合計所要時間1分10秒38。留学生ロボPERFECT勝ち!。やったね!! |
健亮 | 先生、そのリプレイ映像。カットしてくれへんか。 |
ったく。誰かさんが口ばっかり動かして足を引っぱちゃーな。 | |
響子 | それ、もしかして私のこと? |
下手な操縦しか出来ないくせにえらっそうな事言うんじゃないわよ!! | |
田宮 | ちょっと2人とも! |
リンマット | ふっ。仲間内のWARほど醜いものわないね。 |
でも、ま、そうしてケンカできるのもあとわずかだが。 | |
健亮&響子 | ムムムムム・ム・ム#! |
(緊急警報発令!) | |
助教授 | 某生物理科大学が宣戦布告! 衛星によると巨大怪獣でこっちへ攻めてきているわ。時速約10km。現在地は犀川河口!みんな出撃よ!! |
(工大ロボ・コックピット) | |
ジェニー(通信) | ホーッホッホ。あなた達、なかなか発進準備に手間取っているじゃない?もしかしてあんな怪獣ごときでびびってんじゃないでしょうね? |
健亮 | ふん。正義の味方は最後にいくもんや。 |
田宮 | あ、あんな事言ってますよ。 |
響子 | 田宮!例の物用意しといて。私達を怒らせたらどうなるか、体で教えてあげるわ! |
田宮 | え、えー?!あれを”また”使うんですか?! |
リンマット(通信) | 留学生ロボ発進準備完了! Ready GO!! |
(西部緑地公園付近:助教授のミニカーが現場に到着する) | |
助教授 | (マイクを軽く叩く)あーあー。マイクテストマイクテスト。はい。こちら西部緑地公園前です。今、これから始まるであろう『工大ロボ対巨大怪獣』との一大決戦を前に逃げまどう人達でごった返してまーす。 |
ジェニー | ホーッホッホ。でももう大丈夫よ。だって私達が来たのですもの。 |
リンマット | ふっ、まずは小手調べ。留学生ロボ7way! |
助教授 | おおぉっと!留学生ロボ、まずは先制攻撃だぁ。 |
ジェニー | 続いて留学生ロボミサイルですわ! |
助教授 | 全弾直撃ぃ!これで決まったか? い、いやまだだ。な・なぁんとぉう!怪獣は平然とコサックダンスを踊っているではないか!!奴は果たして無敵なのか? |
響子 | やっぱり。留学生ロボは機動性を重視しすぎた結果、基本攻撃力がない為に怪獣のA.T.バリヤーを侵食してダメージを与える事は出来ないのね。 |
ジェニー | ホーッホッホ。でも私達には特殊兵器があるってよ。 |
リンマット&ジェニー | そう!留学生ダーイブ!! |
助教授 | 留学生ロボの機体が空高く舞い上がり、そして急降下!!それと同時に留学生ロボがバリヤーで包まれたその姿は、まるで赤い水星だぁ。 しくわぁし、怪獣は紙一重でそれをかわすと |
リンマット | 倒れ込んでこんできたミー達を |
ジェニー | 上から押え込んでしまいましたわ。 |
健亮 | とうとう俺達の出番のようやな。 |
健亮&響子&田宮 | 工大ロボ発進! |
ナレーション | 工大ロボは1号館から59号館の各校舎で構成されており、緊急時にはそれらがすべてが連結・変形して発進するのだ。 |
健亮 | 待たせたな! |
リンマット | よく言うよ。 |
響子 | 悪いんだけど何とか怪獣を動けないようには出来ないかしら? |
ジェニー | ホーッホッホ。なんとか足の動きだけは止められそうだけど。 |
健亮 | 田宮!例の準備開始や。 |
田宮 | え、えーっと方向確認。重力及び磁場の修正完了。 |
響子 | ふっふっふ。工大FMバズーカー、エネルギー充填・周波数76.3MHz・最終安全装置も解除。 |
リンマット | チョ、チョット待ってくれよ。もしかしてそいつをこっちへ向けてファイアーするんじゃないだろうな。 |
健亮 | その辺は大丈夫や。留学生ロボの耐久力やとお前達の命だけは守れる”ハズ”やでな。 |
リンマット&ジェニー | おぉう、のぉうぅぅぅぅぅぅぅ。 |
(轟く爆音) | |
助教授 | 怪獣殲滅おめでとう!。 |
健亮 | 正義はかぁつ!! |
響子 | まぁ、当然の結果ね。 |
助教授 | でも重傷者2名に、兼六園がおまけで消滅しちゃったけどね。 |
田宮 | はぁ。またもややってしまったのか。 |
(救急車の音などが聞こえる。) | |
ナレーション | それから数日後。 |
(某病院にて) | |
健亮 | よう、元気か? |
リンマット | Whoのせいでこんな目にあっているってって(苦痛で顔を歪める)。 |
田宮 | すみません。 |
助教授 | で、話は戻すけど怪我の方は? |
ジェニー | ホーッホッホ、ちょっと防衛どころじゃないわね。 |
学長 | 諸君、よくやった。 |
響子 | っちょっちょと、学長。いつの間にやって来ていたんですか? |
学長 | (気にせず)ガクレンジャーの活動によって工大は無事防衛された。また、防衛留学生達の協力によって被害が兼六園程度ですんだ。 このことから教授会及び学友会は、ガクレンジャーを現存のメンバーに怪我が治り次第防衛留学生を加えもう少し様子を見てみる事に決定した。 |
健亮・田宮・響子・助教授 | よっしゃ! |
学長 | しかし地元自治体からのクレームにより、しばらくガクレンジャーの諸君を停学処分とすることに決定した。以上。さらばだ。 |
響子 | 待ってくださいよ。来週は定期試験ですよ?! |
健亮・田宮 | なにーっ!! |
(以下3人は何としてでも停学をやめさせようとする。) | |
ナレーション | こうして工大に平和が訪れ、ガクレンジャーに新たなメンバーが加わった。しかし停学に定期試験と新たなる試練が彼らを襲う。負けるなガクレンジャー、戦えガクレンジャー!! |
(終わり) |