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いろんな車のノイズ(交通量のそれなりに多い道にて交通課の人達がねずみ取りを行っている。) |
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先輩婦警A |
あぁあ、眠い。何でか弱き乙女がこんな深夜にぼーっと立ち続けて車を見ていないといけなのよ! |
先輩婦警B |
まぁ、道路交通法違反の車を捕まえて国家予算を少しでも増やすのが交通課の仕事だからね。でも今日から新人が来るって言うから少しは楽になるわよ。 |
新人婦警 |
こーんばーんわぁ!私が今日からここの担当になりましたその新人です!よろしくおねがいしまーす!! |
先輩婦警A |
…。だーっうるさい!。そんなにでかい声で自己紹介しなくてもわかるわよっ!。 |
先輩婦警B |
あんたも相当うるさいわよ。 |
先輩婦警A |
じゃぁ仕事を教えてあげるわ。ついて来なさい。 |
新人婦警 |
はぁーい! |
先輩婦警B |
更につらい仕事になりそうね。 |
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先輩婦警A |
これがスピードメーターね。あそこの茂みに隠してあるセンサーが車を捕らえるとここに速度を表示するから。制限速度を20キロオーバーしていたら片っ端から止めちゃって。 |
新人婦警 |
こんな真っすぐな追越し車線の田舎道でいかにもドライバーが気を緩みそうなところにしっかりメーターを仕掛けておくなんてさっすが警察!せこい商売してますねぇ。あ、先輩!早速速度違反の車が現れました!! |
先輩婦警B |
やるじゃない。行くわよ!(笛を鳴らす)。 |
マニアな男 |
警察諸君、深夜お勤めご苦労であります!現在我々は超危険物を極秘で輸送しているものであります!では緊急で運ばなければならないので、これにて! |
先輩婦警A |
あぁ、ご苦労様です。…って通す訳ないでしょ。中のものを見せなさい! |
マニアな男 |
あぁっ、いやっ、それだけはごカンベンを… |
新人婦警 |
あっ!こっこれは!!裏で極秘裏に流通されている『「ルパーン 」幻の18禁ビデオ“炸裂ワルサーP38” 業務用限定版
』じゃないですか!。すごーい!! |
先輩婦警B |
確かにこれは超危険物だわね。 |
マニアな男 |
では、現物もあらためましたところでわたくしは私は失礼させていただきます。 |
先輩婦警A |
ではお気をつけて。…って行かすかぁ!(バシッと殴る)。さぁこっちへ来て書類にサインをして拇印を押しなさい!! |
マニアな男 |
とほほほほ。 |
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先輩婦警A |
ま、さっきも見たように違反者はわけのわからん態度でなんとかごまかそうとするから、決して気を許しては駄目よ。 |
新人婦警 |
はーい。(一呼吸おいて)あっ先輩見て下さい!。あの人車に乗っているのにシートベルトしていませんよーっ。 |
先輩婦警B |
見る目ついてきたじゃない!よしっ!(笛を鳴らす) |
先輩婦警B |
はいはい、シートベルト未装着ね。そこで書類にサインして拇印を押してもらうからちょっと奥の方へ行ってちょうだい。 |
正義の味方 |
ちょっと待ってくれ。今理由不明に日本征服を企む悪の組織「ブラックホール団」が放ったブラック獣「星男」が番組終了十分前に最初っからそうしろよみたいな急に巨大化して町が壊滅寸前なんだ。 |
新人婦警 |
確かにそう言えば町の方が真っ赤ですねぇ。 |
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(逃げまとう人々や救急車&消防車のサイレンが町の方から聞こえてくる) |
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先輩婦警A |
それで? |
正義の味方 |
てなわけで、俺は今すぐこの車を変形させて『スーパーDX超合金太陽系ロボ』の頭部にドッキングしないといけないので、ここを通してもらう。 |
先輩婦警B |
なるほど、違法改造ってな訳ね。罰金アップと(サラサラっと)。 |
正義の味方 |
だかーらー、これにはいつの間に俺達の税金でこんなものを作ったんだみたいな国際防衛組織が裏で絡んでいてだなぁ… |
新人婦警 |
あ、町が滅んじゃいました。 |
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(朝日が昇る静かな空気の中、ただすずめのさえずりだけが聞こえてくる。) |
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先輩婦警A |
もう朝かぁ、この時間帯になるとめっきり車が通らなくなるわね。 |
新人婦警 |
ふぁーあ。ちょっと別の理由が原因な気がするんですけど。あっ、先輩。前から車が。 |
先輩婦警B |
んんっ?!。っ!見てみて、カモよ!!顔つきの悪い野郎がベンツ乗って運転しているわ!。 |
先輩婦警A |
でかした!止めるわよーっ!! |
新人婦警 |
あのー。あの車は別に交通ルールを破ってはいませんけど。 |
先輩婦警B |
ちっちっち。あの手の顔であの手の車は大抵なにか犯罪が絡んでいるものなのよっ! |
糞ガキ |
なんや姉ちゃん、わしになんのようや。 |
新人婦警 |
きゃーっ、『顔以外は』かわいいっ!。 |
先輩婦警B |
ね。言った通りでしょう。 |
先輩婦警A |
はいはい。キミきみ、お父さんかお母さんの名前を教えてくれないかな。 |
糞ガキ |
姉ちゃん、姉ちゃん。そんな事やっとらんとワシとちゃーせんか? |
先輩婦警A |
きゃっ!お尻なんか触るんじゃないわよ。このガキ、今からシメていい? |
糞ガキ |
ごそごそと札束を取出す音を。 |
先輩婦警A |
げっ!こ、っこれは…。えー福留諭吉大先生がちゅうちゅうたこかいな…(態度急変)不束者ではございますが私のような者でよければ早速お供させて頂きます。 |
糞ガキ |
じゃぁ行くかぁ。 |
新人婦警 |
先輩せんぱぁい!(追いかけるがおいつかない)はぁはぁ、どうしよう。先輩行っちゃいましたよ。どうしたらいいんですか。 |
先輩婦警B |
と、とりあえず『この物語はあくまでフィクションであり、良い警察官の皆さんはけっしてマネをしないでください』というオチでしめさせてもらおうかしら。 |
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おしまい。 |