さくらの石狩データセンターへ行ってきた : つねづね思ふこと

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さくらの石狩データセンターへ行ってきた

2013年11月24日

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第2回 さくら石狩DC見学ツアーへ行ってきたので、見てきた内容と感想をまとめてみた。さくらのクラウドサービスには言いたいこともいろいろありますが、だからと言ってやっぱりあれだけのサービスを確立させるだけでも相当の労力が陰で存在するのだなと感じました。


さくらインターネット社が提供しているさくらのクラウドはいつも仕事で利用しています。
ですが、ありがたく使っている反面苦々しいところもあり-あまりその辺を詳しく書くとブーメランになりそうなので伏せますが、気になる存在でありました。

そんな中以下の記事が気になり応募しました。

最新鋭データセンターに萌える「第2回 さくら石狩DC見学ツアー」 東京発に加え大阪発&札幌集合プランも - はてなブックマークニュース
http://b.hatena.ne.jp/articles/201310/16458

申し込みフォームにはその苦々しいところも少々書いたはずなのに、何故か当選しましたので、1泊2日で遠慮なく行ってみた。
なお当たったとはいっても、ふつうに航空券などを揃えることを考えたら旅費はJTBの力?でかなり安く押さえられていましたが、一応自腹ツアー料金を払っています。念のため。

さて、本ツアー直前にPDFで配布された旅のしおりに記載があった荷物を確認した後...うっかりが多い私としてはこういうの便利ですね-それでも気がついたら携帯用の充電気を忘れているのに気がついて空港コンビニの充電器を買ったりしていましたけど。
私は現在大阪市内に住んでいるのですが、伊丹空港を出発し1時間45分で北海道・新千歳空港に到着。
飛行機は行けばすぐ乗れるものではないので一概には言えませんが、新幹線で東京に行くよりも早く到着し且つ安い※のは不思議な気分です。

※新大阪から東京駅までは、新幹線の中で一番早い「のぞみ」で約2時間半。
また片道費用は新千歳空港までの片道飛行機代は約9千円に対して、のぞみは約1万4千円。

しばし、新千歳空港の2階土産売り場を満喫(帰りの時もここで待機したのですが、なかなか時間潰せますねココ!)
その後しばらくして札幌組と合流後、石狩市某工業団地内の石狩データセンターに向かいました。

2日間訪れた(2日目はオプション)このデータセンターの建設には以下の点を配慮する必要があり、この石狩データセンターでもその点が考えられているということを、バスで移動中さくらインターネットの田中社長自ら解説されていました。

  • 熱に対する配慮
    データセンターには大量のサーバーが収められており、サーバーが活動するときに発する熱を適切に放出しないとすぐに壊れてしまうのが課題になります。
    とはいえ、毎度冷却していたら空冷費がかかってしまうので、だからこそ北海道の外気を使って自然に冷やし、コストカットを図っている...が、寒すぎると今度は過電とか、今度は機械部品への悪影響が発生するので一定にしなければならないのだそうだ。

  • 電線に対する配慮
    大量のサーバーを動かすには、常に高圧電流が供給されている必要があります。
    ですので、複数の電線網から電力が供給できる場所というのも大事だったらしい。

  • 回線に対する配慮
    ただでさえ都市部から離れた施設は不利なので、それをできるだけ感じさせることのない大量にデータのデータを受け取り送り出すことができる、大規模回線の水揚げ場所である必要があるそうです。

(2日目は上記関連変電所&通信局の水揚げ施設について、解説がなければただの小さな変電所と小屋なのですが、バスから見せて頂きました)

こうして、石狩データセンターに到着。
さくらインターネット石狩データセンター外装

しかし、テロなどを防止するためか、場所は非公開で、周りの景色も撮影禁止とのことでした。
(最近は、地上波で放映される魔法少女すらタンクローリーで特攻を決める物騒な時代ですからね)
そのうえ?途中から参加者が一人増えてるぞ?というのを防止するための入場チェックを受けた後、ようやく奥に進むことができました。

歓迎の昼食を受けた後
さくらインターネット石狩データセンターツアー1日目にて提供いただいた弁当、やっぱ北海道といえば海鮮弁当ですね!
工場見学のノリで2日間各施設を見ていったのですが・・・
このデータセンターで見せて頂いた内部について(あとで、配慮された画像を別途ダウンロードさせてもらえたとはいえ)自分たちでは撮影禁止ということもあり、本編にもかかわらずさらっと流して紹介していきます。

  • 熱源機械室
    冷却した空気を送る...とはいえ寒すぎると今度はハードディスクに悪影響を及ぼすから外が冷えてたら何もしなくてもよいわけではないみたい。

  • 高圧電気室・特別高圧電気室
    火災時の窒素ガス放出についてなどの解説がありました。
    なお煙センサーが実装されているのですが、かなり過敏に設定しているので、周囲の農場が野焼きするだけでもフィルターから空気を取り込んだ際に反応してしまうのだとか。

  • 発電機室
    タイムボカンを思い出させる線路のようなものの上に発電機が乗っており、増やしたり減らしたりができるとのこと。
    ココの部屋に限らず、宇宙ステーションのようなユニット単位で各部屋が区画されており拡張性を考慮されているのが興味深い。

  • チャンバー(外気取り込み口)と、フィルター
    フィルターの交換について、小人の入口のようなところから入ったり、鳥が巣を作らないように防御策を設けているのが面白い。

  • 1号棟サーバー室
    A-Eゾーンのうち、Cゾーンまで。
    1日目では外装だけでしたが、2日目では実際にラックの中身も見せてもらいました。
    また各ゾーンは同じ構成ではなく、Aゾーンで不便だった点(空調が良くなるよう左右から扇風機で風を送っているが、人間には乾燥しすぎて作業効率が落ちた)を踏まえて、Bゾーンは別の構成で作られたというのも、高くついていそうな気がしますがユニット単位拡張の興味深い点ですね。

    またケーブルの巻き方が美しく、にわかな自分が社内で適当に這わせているものとはやっぱ本職は違うなぁと痛感。
    聞けば専門の訓練を受けているのだとか。

  • 建設中の2号棟
    全部で8号棟まで用地確保済みで増設可能なモジュール構造になっているのですが、今のところ運営しているのは1号棟のみで、現在2号棟はもうすぐ完成のところらしい。
    都会暮らしが身に染みているものとしては、なんてぜいたくな先手だ!
    2号棟以降について、またどんな仕組みを取り入れてパワーアップしたのか知りたいな。
    エイプリルフール企画な桜葉 愛たん(←さくらインターネット社初の2次元社員)によるバーチャルツアーでも良いので。

  • 管理室事務所
    温度や空調・湿度などの情報がリアルタイムでデモとして見られました。

  • サーバー格納口・倉庫・ゴミ捨て場
    ダンボールゴミを業者に出す際は、一般的なゴミ収集車がやってきますけれど、この車が放つ排ガスによって、煙センサーが反応してしまうので、どうするか?と専用の排ガス路などを用意しているようです。

データセンターの内部を一通りご紹介いただいたうえで、石狩データセンタースタッフの方から、北海道苦労話などをプレゼンや懇親会などでいろいろお伺いしました。

まぁそこで感じたのは、他のデータセンターはどうかだか知らないのですが、石狩データセンターの場合、持込み設備なども許可して要る関係上か?人が直接システム構築する場面が多く、そのため「人が関わる」ことによる苦労話が多いような印象を受けました。

例えば「やっとのことで走行困難な程の寒い中、新サーバーが届いてきても結露の問題があるからすぐに稼働開始できない、一時倉庫で寝かせる必要がある・・・」というエピソードはしょうがないものなのかもしれません。
しかし、サーバー交換におけるヒューマンエラー対策や、ホワイトアウトの時における通勤の苦労話、コンビニに行くのも大変だ、設備が広いからトイレに行くのも大変など云々については、産業用ロボットに作業を代替させて、人はもっとできるだけ減らす方法にできないものなのだろうか?と素人ながら感じたり。

また東京ドームを超える広大な施設にもかかわらず、現時点で稼働しているのが、その1/8のみという話も印象的でした。
8号練までできる頃にはどんな社会になってるんだろう?
例えばBluetooth4.1はIPv6対応で対応無線LANがあれば、スマホを経由せず直接データーを送るらしいのですが、従来にない様々な器具にもセンサーチップが搭載されManyDataを収集解析する世界かもしれない。
例えばスマートヅラなどが一般化された社会?
http://japanese.engadget.com/2013/11/21/sonywig/

最後に、次回このツアーに参加する方がいらっしゃったら、Twitter環境を用意して#石狩DCタイムラインを常に眺められるようにすると、普通の社会見学と異なる面白さがあってお勧めです...とはいえやっぱり内部は携帯の利用ができないので、北海道美味しいなぁと外部で食べた物グルメネタが中心になるのはまぁそれはそれで。

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投稿者 kuze : 2013年11月24日 23:03


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自己紹介
PHPやVBによるコーディングやシステムエンジニアを仕事にしています。
主にiPhoneアプリの紹介やWeb開発などのPC系の話題と、アニメやゲームなどのサブカルな話題を取り扱っています。

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